ロメロ監督は,2000年公開の「URAMI ?怨み?」に続き,久々にゾンビ映画を撮ると周囲にもらしていたそうである。それだけに,バイオハザードの降板劇が相当ショックだったようだ。また,結果的にはスティーブン?ソマーズ監督が撮った「ハムナプトラ 失われた砂漠の都」を,Universal Picturesからオファーされていたものの,考え方の相違などを理由に降板したこともあり,ビデオゲーム業界とハリウッドの映画産業に大きな失望を抱いていたという。
Universal Picturesはその後,ロメロ監督に「ランド?オブ?ザ?デッド」を撮らせることで義理立てしたのだが,カプコンとの仕事は「バイオハザード2」のCMが最後になってしまった。
2005年にGroove GamesからXbox向けに発売された,FPS視点のゾンビゲーム「Land of the Dead: Road to Fiddler's Green」は,「Day of the Zombie」のタイトルで開発されていたものに,あとから映画版権をかぶせたものだ。
アンダーソン監督は,たとえ低予算の作品でも大金をつぎ込んでいるかのように見せることにかけては,高い経験値を持っていた。そこで相棒のジェレミー?ボルトと徹底的なロケハンを行い,ドイツでゲームの雰囲気に近い洋館を探し出し,セット撮影の約8割をドイツで行ったという。これは,ゼロからセットを組み上げるよりも,ロケーションでの撮影のほうが予算を大幅に削減できるからだ。「イベント?ホライゾン」では宇宙船が舞台であったため,すべてセットを組み上げる必要があり,予算に関しては相当苦しい思いをしたようなのだが,こうした経験が生きたということだろう。
そして地下研究所のシーンでは,構造そのものを広く大きく見せるべく,シーンごとに扉を変えるという工夫をしたり,ゲームと同じように上部からの固定俯瞰視点で撮影したりと,細部へのこだわりと映像マジックを駆使することで,アクション重視の映画を作り上げることに成功した。
また,ゲームに関しては「バイオハザード2」のほうが好きらしく,列車での戦闘シーンを挿入したり,リッカーを登場させたりと,ゲームの「1」と「2」が入り混じったスタイルになっている点や,ロメロ監督の「死霊のえじき」やヴィンチェンゾ?ナタリ監督の「CUBE」へのオマージュなど,アンダーソン監督が好きな映画からエッセンスを抽出したシーンが多々ある点も見逃せない。
なお,この映画は「不思議の国のアリスのゾンビ版」が裏テーマになっている。そこでゲームに登場しないオリジナルキャラのアリス役として起用されたのが,ミラ?ジョヴォヴィッチ(正式な発音はヨヴォヴィッチ)である。アンダーソン監督は,オーディションで最初に現れたミラに一目惚れし,即座に主役を決めたそう。その後,正式に籍を入れる形ではないものの,ミラはアンダーソン監督の子供を出産。事実上の夫婦となっている。
そのうちの一つが,20th Century Fox Filmから飛び込んできた「エイリアンvs.プレデター」だ。アンダーソン監督は悩みに悩んだが,バイオハザードIIではプロデューサーと脚本を担当することにして,エイリアンvs.プレデターの監督を引き受けることに決めた。
なお,バイオハザードIIは,ヤン?デボン監督作品の多くでセカンドユニット?ディレクターを務めていたアレクサンダー?ウィット監督に依頼。ウィット監督にとっては初監督作品だったが,ゲームの「バイオハザード3」の世界観を踏襲したスタイルは,ゲームファンから好評を得た。とくに,ジル?バレンタインの格好や追跡者など,ゲームと映画がシンクロするような作り込みは絶賛されたものだ。ただ,映画ファンからは,演出の甘さやミラの超人的な立ち振る舞いがゾンビ映画を破綻させているなど,辛口の評価もされていた。
なお,バイオハザードIIもロケーションはドイツのベルリンを中心に,カナダなど少ない予算で撮影ができるところが選ばれている。
映画の評価は賛否両論だったが,「エイリアン2」でアンドロイドを演じたランス?ヘンリクセンを起用し,ウェイランド湯谷社の印象を強くさせたりと,マニアックな試みがあちこちに施されており,個人的にはそういうネタを見つけるたびにニヤリとしてしまったものだ。
この後,アンダーソン監督は一切タッチしない形で「エイリアンvs.プレデター2」も製作された。が,筆者は未見なのでここでは触れないでおく。PSPでゲーム化もされており,一応購入してあるが,映画を観ていないので未プレイ。
引用元:フリフオンライン(Flyff) 専門情報サイト
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